心理士の国家資格化と日本臨床心理士会の動きについて

臨床心理士が中心になっている国家資格化を検討している4つの団体は、日本臨床心理士会(心理士会)、日本心理臨床学会(心理臨床学会)、日本臨床心理士資格認定協会(資格認定協会)、日本臨床心理士養成大学院協議会(大学院協議会)の4つで、これを「4団体」と称しています。2012年4月21日、この4団体の会議の席で、「大学院協議会」が以下の提案を行いました。

1.臨床心理士の活動は臨床心理学及び関連諸領域の学問等の進歩と指定大学院・専門職大学院の教育課程の整備・充実が結び付いて発展してきた。
2.臨床心理士資格は大学院教育を修了した高度専門職業人としての臨床心理職の質の向上と汎用性の担保が目指された資格である。
3.臨床心理士は長年積み重ねてきた社会への貢献の実績により、すでに多くの公的な機関の任用資格になっており、公共性と国民の信頼を得ている。

これに対し、「日本臨床心理士会」は「このような提案は承認できない」と拒否しています。日本臨床心理士会は現状での心理士資格の国家資格化によって引き起こされるデメリットについては一切の言明を避けていますが、以下のような可能性もないとはいいきれません(あくまでも個人的な推測です)。

1、スクールカウンセラーは廃止されるかもしれない。もし存続しても校医(精神科医とは限りません)の指示のもとでしか動けなくなるかもしれない。
2、これまでのようなスタイルでのカウンセリングはできなくなるかもしれない。
3、臨床心理士が行ってきた災害時の心理的支援は不可能になるかもしれない。
4、医療以外での臨床心理業務や開業はできなくなる可能性がある。
5、大学卒ベースになるので病院における賃金は低下する恐れがある。つまり、今以上に生活の保障がなくなる。

日本臨床心理士が推進しようとしている国家資格化の動きに対し、各都道府県の臨床心理士会は、いくつかの臨床心理士会を除いては意見を表明していません。我が国における臨床心理領域は医療よりの国家資格が実現することにより、現状での臨床心理士の活動が保障されないことは、もはや避けがたい情勢です。そしてそれを推進しているのが日本臨床心理士会であり、臨床心理士である会員の会費を用いて行われています。

文責:山崎修
ある団体に対して意見を述べる以上、誰が文章を作成したかを明らかにするのがマナーであるという意見をいただきました。また、私個人は誰かを貶めたり誹謗中傷を述べたりするつもりはありませんが、至らない表現がございましたらご意見を賜りたいと思います。